本社と主力工場がある東大阪市には事業所が6,000余りもあります。
この数字は、大阪市、名古屋市、京都市、横浜市といった、県庁・府庁所在都市に次いで第5位です。密度でいえば、圧倒的な全国1位で他を寄せ付けません。
小規模な工場が多いにもかかわらず、大半が大企業の傘下に入っていないのも特徴です。「小なりとはいえ、一国一城の主」といっていいでしょう。
それらの工場の技術の高さもあって、東大阪市は「モノづくりのまち」と呼ばれるようになりました。
新幹線や航空機・宇宙ロケット、東京スカイツリーなどでも、「モノづくりのまち」東大阪市の工場で作られた部品が使われています。
当社もそのなかでライバル会社と切磋琢磨し、短納期・低コスト・高品質の面で鍛えられ、
「たとえニッチなジャンルであってもいいから、トップ企業になる」ことへの執着も「モノづくりのまち」東大阪市の土壌で培ったものです。
流通手段の発達もあって、取引先は日本全国に広がっています。海外での事業展開は同業者のどこよりも早く始めました。世界のどこのお客様であっても、「金属製品の特注部品ならば、CHAMPION CORPORATION。どんな無理難題をいっても実現してくれる」とご注文を頂いております。
<自社工場での一貫生産 >
「ピン屋一筋、半世紀」当社の事業内容をひとことで表すと、こうなります。
一見シンプルなピン1本でも、複雑な形状の製品であれば、完成するまでに10種類以上の工程を経る必要があります。そして、各工程には、それぞれ異なる機械・設備が必要です
当社は、各工程に必要な機械・設備を複数台ずつ自社工場に持っており、工程の最初から最後までを完結することができます。
自社工場で一貫生産を行うことにより、お客様のご要望に合わせた工程のアレンジや、更には、加工手法の改善等による製造コストや納期のコントロールを行いやすいというメリットもあります。
<特注金属部品製造で培われた技術力>
半世紀のピン作りで培ったのは、「硬くて、腐食しにくく、高温にも耐える。変形にも強い。精度も2ミクロンまで出せる」という金属加工の技術とノウハウです。
培った技術を活かして、ピンだけでなく、あらゆる金属製品をお客様のご要望に合わせたオーダーメイドで製造しています。金属製品に関して、様々な業界からのご要望にお応えしてきたため、私たちのお客様は、医療機器、食品包装、自動車など多岐に渡ります。
金属製の精密機械部品を作る会社には、東証一部上場しているような大手もありますが、彼らが作る部品のメインは、似た形状、似た寸法をもつ、量産可能な金属部品です。
一方、私たちの主戦場は、オーダーメイドの特注部品の分野です。この分野においては、大手企業よりも、当社の方が生産額は高く、技術力も全く引けをとりません。業界最大手の企業も、特注部品分野における私達の実力を認めており、技術提携の申し込みをしてくるほどです。
<グローバル展開による強固な事業基盤>
現在、当社の海外拠点は、中国(上海)、韓国(ソウル近郊)、インドネシア(ジャカルタ近郊)の3拠点です。当社ほど手広くグローバル展開を進めている同業の中小規模の企業はほとんどありません。
海外の3拠点によって、当社の事業基盤はより強固なものとなったと言えます。それは、グローバル展開が以下の効果をもたらしたためです。
① 伸びる現地需要の取り込み(※1)
② 世界景気低迷時のリスク分散(※2)
③ 人件費ギャップを利用した低コスト製造(※3)
事業基盤の強さを見せたのは、世界的不況(リーマンショック)やコロナ禍でした。不況の波に飲まれ、海外拠点をもたない国内の同業者が何社も倒産していく中、上記の効果を得ていたことで、当社は赤字さえ出さずに乗り切ったのです。
今後も、各海外拠点の生産能力・品質の向上と、新たな海外拠点への進出を視野に、事業基盤の強化を続けます。
※1
当社の海外拠点は、各分野で市場の成長が著しい国に存在しています。伸びる海外需要に目をつけて積極的にグローバル展開することで、当社は成長を続けています。
※2
景気の良い国もあれば、悪い国もあります。海外拠点をもたない同業者は、国内の景気動向により、業績が左右します。一方、海外拠点があれば、景気の悪い国での業績悪化を、景気の良い国での業績良化でカバーすることができます。
※3
海外は日本に比べて人件費が低く、同じ製品でも国内より安く製造することができます。海外で製造した商品を国内で販売すれば、海外拠点を持たない同業者よりも安い価格をお客様に提示することができます。結果、国内でのコスト競争にも打ち勝つことが可能となります。
<新たな取組み >
<いずれは工場長も女性に!女性だけが働く「YAO FACTORY」(八尾工場)>
2018年春、もうひとつ全く新しい取り組みが始まりました。東大阪市の南隣・八尾市に女性だけが働く工場、「YAO FACTORY」を立ち上げたのです。現在は、女性8人で工場長も男性です。
しかし、いずれ本格稼働すれば女性のみで15〜20人が働くことになり、そのときには工場長も女性の中から抜擢します。
ここでは次のような工夫がされています。
(1)担当する金属製品は小型・軽量に限定
(2)家庭を持っている人のために、勤務時間を柔軟に
(3)経験を積まなくても操作できる設備のみを配置
特に(3)は、「『男女平等』といっても、家庭の仕事は女性任せになるのが今の現実。子育てや介護でキャリアが中断した方でも、大きな負担がなく仕事を再開できる。」といったことを視野に入れています。
YAO FACTORYの成功が確認できれば、ほかの工場でも同じシステムを採り入れていく予定です。